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音楽を中心に興味ある物を、うろ覚えであっても個人的な主観から妄想ぎみに語る。
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浦賀和宏
松浦純菜、八木剛士シリーズ7作目 「堕ちた天使と金色の悪魔」

前作が松浦純菜の視点から描かれたのに対して、今作は八木剛士の視点で前々作直後からのストーリーを振り返る。

主人公でありながら、読者からの共感という言葉すら拒否する剛士。
不細工かつ苛められ子でモテナイ男に、可愛い女の子が接近してくるという羨ましい限りな設定なのに少しも羨ましくない。恐ろしくマイナスな思考かつ、被害者意識の塊であるが故に、共感できない性格。なのに無敵という厄介なキャラ剛士。

今作では、その無敵ぶりが精神面への強化につながり、益々嫌な奴になっていく剛士。それなのに美少女二人の間で揺れ動き悩む剛士。

前作が松浦純菜の内面を描き、どうかと思うほどラブコメチックな展開で未来が明るいと思わせておきながら、ギクシャクする二人。しまいには、ラブコメ的には禁じてなSEXとゲイまで描かれる。

それまでならまだしも、複線の回収の目処が立たない状況で急遽ミステリー的、禁じ手、主人公犯人的展開を最後に持ってくる(勿論そんな事ないだろうけど)。はっきり言って、これほどまでに展開が読めない作品になろうとは、思いませんでした。最初の2作はラブコメ要素重視の軽いミステリーだったのに、3作目ぐらいから剛士の暴走に拍車がかかり、遠いところまでやって参りました。暴走は主張に表れ、世間やクラスメートに対する反発に留まらず、右よりな意見をかましまくるまでに至る。

前作で幸せな結末を予想した私は考えが甘かった。
堕ちるところまで堕ちるラストもありえる、予測不能な作品。

全て続けて読まないといけないところだけが難点、元々そういう作風の人でしたが。




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スピッツ18枚目のシングル 「冷たい頬」

自分にとってスピッツの最高傑作。
摩訶不思議な抽象的な歌詞に切な過ぎるメロディにビートパンク的なバンド演奏と非の打ち所がない作品。

と言いたいところなのですが、単純にこの曲を聴いていたのが、就職して一人暮らしを始めた頃。当時の一人暮らしに対する期待感と何だか大人になってしまった寂しさ(勘違い)を、癒してもらっていたから、思い出深い作品。

歌詞と当時の自分の心境は何の繋がりも無いものの、未だにこの曲が流れると胸が詰まる。音楽の素晴らしさとは、曲を聴けばいつでもあの頃の感情を思い起こすことができるという事。

最近1曲1曲に、こういった思い出を感じることが少なくなった。感情を押し殺し生きることに慣れてしまった、そんな詰まらない大人にはなりたくないと思っていたのに。

使い捨てじゃない音楽との出会いを求めて。






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Linkin Parkサードアルバム 「Minutes to Midnight」
ファースト、セカンドと大きな音楽性の変化をせず、大成功を収めた彼らが、ここに来てラップメタルから離れ大文字のロックに移行。

そのことにより、賛否両論のようだが、持ち味である哀愁漂うメロディはそのままであり、リンキンのサウンドは、こういうものといった型にはめた聞き方してなければ、すんなりと受け入れ可能な範囲の音楽性の変化。

それなのにこれだけ叩かれるのは、バンドと共に聞き手も成長するといった物語が過去のものになってしまった証。

攻撃的な曲が減り、哀愁帯びたメロディのミディアムテンポの曲が大半なため、地味に感じられるのは、確か。しかし、最高傑作とは言い難いが今後に繋がる習作と言えるアルバム。

音楽的な成長を見守れるほど、時間や世間は待ってくれない、そんな世知辛い世の中であることをこんなところで知る。

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池上ケイセカンドシングル 「NAZE?」

「berry」名義時代から一押しのアコギの似合うシンガーソングライターであり、日本では数少ないロックよりの女性シンガーソングライター。それだけでも貴重。残念ながらメジャーシーンでは「YUI」の独占市場となっている。「YUI」好きの人が少しでも聞いてくれると良いのですが。

個人的には、今最も歌声が好きなアーティスト。
歌詞は良くも悪くも内面を抉る人生応援歌的なため好き嫌いは分かれるところではあるが、彼女の歌声が乗るとすんなり信じられる。勿論力まず淡々と歌っているからであり、これが必死になって感情過多で歌われると辛いものがある。

前作「Grow」が決定打とも思えるフレーズ(「なぜ生まれたの なぜ生きてるの」)を持った6分6秒もする大作だったのにも関わらずブレイクに至らず。

今作「NAZE?」は、「弱いから脆いからきっと愛を求める」というフレーズがあるものの前作ほど強調した部分ででてこず、あくまでメロディの中にすんなりはまった作り。

曲調はより大陸的なロックバラードになっており、より「berry」時代に近い作りで、昔ながらのファンには安心なつくり。前作が良くも悪くも狙った感を感じさせる大作であったものの、今作は等身大を感じさせる作品。2曲目の「yours」も1曲目と同じ路線ながらもカップリングにするには勿体無いほどのクオリティ。

何故売れないかの理由が全く分からない、心底売れてほしい。

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Hard-Fiセカンドアルバム 「Once Upon a Time in the West」
UKで今最も男の哀愁漂わせるロックを奏でるバンド。

巷で言われるほど、ダブとかスカといった音楽的雑食性は感じない。
哀愁溢れるメロディを基本とし、そこにさりげなく色んなジャンルの音楽を添えるといったバランスの取り具合が素晴らしいバンド。

セカンドは、ハードなビートを押え目にし、よりメロディを重視した典型的なセカンドといえる。最近のバンドはセカンドで迷走か失速するバンドが多いことを思えば、順調に成長していると感じる快作。

しかし、(そんな人がいるかどうかは知らないが)Hard-Fiにロック進化論的な部分を求めていたのなら、正直物足りないアルバムでしょう。個人的には、ここまでメロディに振り切れたところが、ファーストに感じたどっちつかず感(ビートとメロディの狭間)を解消したと感じる。

少なくとも、ここ数年のUKで話題になったバンドのセカンドアルバムでは、最高の作品。




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槇原敬之移籍第一弾シングル 「GREEN DAYS」
なんとなく遠い世界に行ってしまっていた槇原敬之が、遂に本道に戻ってきました。

変に説教くさい歌詞や変に凝ったポップソングのどちらかに寄っていた2000年代の槇原敬之。歌詞の普遍性、曲のポップ度、両方において「どんなときも」クラスの曲をこのタイミングで発表するとは思っていませんでした。

「世界にひとつだけの花」のような答えを訴えかけるメッセージソングは、その答えに共感できなければ、どうしても曲にのめり込む事ができない。

「GREEN DAYS」という青春の一風景を描写したかのような詩であれば、誰でも色んなイメージを投影でき共感の幅が広がる。元々曲のメロディに間違いがないタイプだけに、その点だけ外さなければ、この後に続くアルバムも期待できる。傑作アルバムを予感させるシングル。

因みにドラマの内容と曲のマッチング度とドラマの内容より圧倒的に曲のクオリティの方が高いという、最近では稀なタイアップがなされている。




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The National4枚目のアルバム 「Boxer」
ニューウェーヴ、ピアノ、REM、オルタナカントリーをごちゃ混ぜにした音楽性に、どこまでも絶望的な歌声がのる。

最近のバンドにありがちな変に気取った雰囲気もなく、地道に活動してきた彼ら。
アレンジ面で若干華やかなさを増したアルバム。

毎日が不安で希望を持てない、そんな感情を歌にすると自虐的になりがちだが、彼らの場合、心地よい絶望感が反転して心地よい安心感を与える。

歌声の一つ一つに圧倒的な説得力があるからこそ、そんな感情を与える。

作られた過剰な商品に飽き飽きした人に聞いてほしいアルバム。





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高杉さとみファーストシングル 「旅人」
こういったJ-POPシンガーは、腐るほどいらっしゃるので、本人への興味というよりも曲単位で聴く傾向が強い。カリスマ的なイメージがなければ、アイドルやるよりも競争率が高いと思われます。

アイドルは、固定ファンというものがベースになる家業で、ある意味安定するもの。

その点、「高杉さとみ」も下積みを経て歌手転向という昔ながらの典型的J-POP路線。マンネリ化を無視し安定した楽曲を提供すれば「ZARD」にたどり着ける路線でもあります。そこまで行くには、勿論強大なバックアップがなければ成り立たないもの。

少なくとも大型タイアップがついてのデビュー。
話題性のあるキャラではない。
という長続きしそうもない2点が揃っている。
<「絢香」も続かないかなと思わせながら、変にロックなボーカルの曲歌ったりつかみ切れない部分を残しながらも、人気は安定していたりするのでどう転がるかわかりませんが。>

はっきり言って先行きは不安だが、この曲は素晴らしい。
西遊記のテーマソングということで、ベタなオリエンタル調を導入したものの、ちょい昔の沖縄調ブームのようなあざとさを感じさせないアレンジで曲の良さを際立たせている。
メロディも切ない感じで良い。
ボーカルも押しの弱さが逆にメロディの良さを引き立てて良い感じです。
詩にもうちょっと、分かりやすいキーワードをあざとく入れておけば大ヒットも行けたのではと思います。

あと新人なんだから曲の浸透を優先させて、曲単価を下げて購入しやすくして欲しいと感じます。DVD付は熱心なファンじゃなきゃ嬉しくないです。2曲で500円ぐらいを設定できれば、もっと気軽にシングル購入できて、本人も曲も知る機会を増やせるのではとつくづく思います。




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Ash5枚目のアルバム 「Twilight of the Innocents」
切なくて、甘酸っぱい音楽と言えば「Ash」。
変にメタリックなギターを装飾することで、曲の良さを分かりにくくしていた前作から、一転して「Ash」節満載。

一作ごとに当たりはずれを繰り返す「Ash」。
<1,3=当たり。2,4=はずれ>単純にキャッチー度が奇数の作品が高いだけとも言えますが、彼らの試行錯誤の表れ。

甘いメロディのギターロックという音楽的範疇を大きく逸脱することのないバンドなのにも関わらず、これだけ浮き沈みが激しいバンドも珍しい。
しかし、アルバムの完成度はどのアルバムも高く、外れはない。

今までで一番大人の哀愁を漂わせるアルバム。
今までのどのアルバムも無邪気な子供的な側面を感じさせたが、このアルバムは大人になり現実を知り、また強くなったといえるような侘びサビを感じさせる。

今まで「Ash」をイメージで毛嫌いしていた人こそ聴いて欲しいアルバム。



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凛として時雨待望のセカンドアルバム 「Inspiration is DEAD」

今最も、私が好きなバンド。

ミニアルバムを含めて三作目。
前作にあたるミニアルバムにて、より明確なメタル色を増した「凛として時雨」。

変拍子、プログレ、メタル、ハードコアパンクといった主要素からなる「凛として時雨」。その主要素から、メタルとプログレの部分が多くなり、ハードコア的激情が抑え気味になった今作。

勿論あのアドレナリンの爆発は失われていないものの、三作目ともなるとインパクトは弱くなるもの。そう考えると新機軸が重要になる。その新機軸と言えるのが、中村嬢のボーカルのみで歌われる「am3:45」激情は抑えつつもプログレ的カオスを感じさせるドラマティックなナンバー。

この曲だけでなく激情的な曲も今までと比べると聞かせる曲が多く、落ち着いた印象を感じさせる。感情の表現の幅が広がり、スクリーム以外の表現方法を身につけたと言える。それを成長の証と捉えるか、初期衝動が無くなりこじんまりしてしまったと捉えるかは聞き手次第。

私としても、成長は嬉しいものの、余り綺麗にまとまって欲しくないという感じであり、1枚目の衝撃を知るものとしては、大人しくなったなと残念な気持ちになった。しかし数回聞くと、今までの延長線上にある激情的なアジテートを主とする楽曲より、曲全体でカオスを表現する新機軸な曲に心が移り、そちら一本でも良かったのではと感じるに至っている。

恐らく次作でまた違った意味での爆発を見せる「凛として時雨」に会えることだろう。


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ライフのストーリーはさておき、福田沙紀のビッチぶりとなっちゃんこと星井七瀬のイキッぷりだけで十分満足できる。ホラー並みの恐怖感すら感じる。いや近年まれに見るホラーと断言したい。

強引だが、近年まれに見る正統派アメリカンロックと言えば、The Hold Steady
そんな彼らのサードアルバム 「Boys and Girls in America」

アメリカに住む何処にでもいる普通の子供達の日常を紡ぐ歌詞。
言葉を詰め込んだ初期スプリングスティーン的歌唱。
曲はピアノを盛り込んだ正統派のアメリカンロックであり、全くトレンディではないし刺激的でもないのものの、圧倒的に誠実なロックンロール。

こういった地味だが誠実なバンドがしっかりとした評価を受けることができるアメリカが羨ましい。

人生の退屈な日常からこぼれ落ちることなく、どうにか踏ん張れとだけ伝えてくれる。大げさなことをいわないからこそ信じられる。





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